注意が必要な食事
過敏性腸症候群の症状を悪化させる食事としてまず挙げられるのが、脂質の多いものです。脂肪酸が腸を刺激することで下痢になりやすくなります。
香辛料の過剰摂取も避けてください。赤唐辛子に含まれるカプサイシンは消化管の運動を亢進させ、それが腹痛につながります。胡椒、生姜、ターメリック、シナモンなども同様です。
カフェインも腸を刺激するので、コーヒーが好きな人は注意してください。直腸S状結腸の運動を刺激して、症状を悪化させる恐れがあります。
多量のアルコール摂取も症状を悪化させる原因になります。短期間に多量のアルコールを摂取するのは危険です。ただし、軽度から中等量の摂取については、症状の悪化との関連性は確認されていません。
食物アレルギーによって腹痛や下痢が起こっている可能性もあります。その場合は、アレルギー物質を含む食事を避けなければなりません。自分が持っているアレルギーが分からない人は、アレルギー検査を受けることをおすすめします。
水に溶けない不溶性食物繊維も過敏性腸症候群を誘発する可能性があります。食物繊維は便秘の解消に効果があります。しかし、過敏性腸症候群の人が不溶性食物繊維を摂取し過ぎると、下痢などの症状が出てしまいます。不溶性食物繊維が多く含まれるのはブロッコリー、ごぼう、ナッツ、切り干し大根などです。
乳糖不耐症の人は、牛乳や乳製品に注意してください。
高FODMAP食にも注意
特定の糖類をまとめたものを、高FODMAP食と呼びます。Fermentable(発酵性の)、Oligosaccharides(オリゴ糖)、Disaccharides(二糖類)、Monosaccharides(単糖類)、And、Polyols(ポリオール)の頭文字を取ったものです。高FODMAP食は小腸で分解吸収されにくく、大腸で発酵分解することで水素ガスやメタンガスが発生します。加えて、高浸透圧性なので腸の中に水分が引き込まれてしまいます。その結果、お腹の張りやおなら、下痢などの症状が悪化します。欧米では高FODMAP食を避けることで過敏性腸症候群の症状が軽減したという報告が多数挙げられています。
まとめ
以上が過敏性腸症候群の症状を悪化させる食事です。なるべく避けた方がいいものですが、だからといって極端な食事傾向になってはいけません。あくまで栄養バランスが取れていることが前提です。また、原因となる食事は人によって異なります。お腹の調子が悪い時の食事内容を記録して、自分に合わないものを見極めるといった工夫も必要です。
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